コンピュータゲーム作りに関する問題です。
ゲームを何度も繰り返し遊んでもらうためには、当然ながら、たくさんの要素を盛り込む必要があります。
一方、記憶媒体の進歩のおかげで最近はそうでもなくなりましたが、以前はデータ容量の関係からあまり多くの要素を盛り込めない、というジレンマがありました。
たとえばある有名なゲームでは、使うデータを節約するために固有名詞や文章を工夫してゲームの中で使用する「かな」の数を減らす(つまり五十音のうちでゲームの中で一度も使われない字がいくつかある)ということまでしたそうです。
さて、プレイヤーが物語の主人公になりかわって冒険の旅に出る、というゲームを作るとします。
一人旅では寂しいので、途中で仲間を一人見つけて、一緒に旅ができるようにします。
繰り返し遊んでもらえるように、主人公の行動(=プレイヤーの選択)次第で仲間となる人物が変わるようにしたいと思います。
しかし、仲間候補を複数作ると、仲間と出会って以降の冒険の場面場面で、仲間候補の数だけ、別々のセリフやシーンを用意する必要があります。
これは避けられないことではありますが、上述のようなデータ容量の制限があるとすると、ひと工夫しなければなりません。
様々なタイプの人物と旅ができる可能性を残しながら、関連するデータ(セリフやシーン)を可能な限り節約する方法が、なにかないでしょうか?
きめの細かい真っ白な泡をのせたこはく色のビールはパーティーに欠かせない色どりの一つといえます。ところがビールに綺麗な泡を乗せるのは簡単ではありません。慣れた人が本格的なビールサーバーを使って注いでもあっという間というわけにはいきません。
何十人、何百人の人が集まるパーティーやイベントで綺麗な泡をのせたビールを次から次へとサーブしようとしたら、注ぎ手を何人も集めなくてはならないことになります。
この問題を解決するためにアメリカのある会社が画期的なビールサーバーを開発しました。このサーバーを使うと経験のない人でも通常の4、5倍の速さでビールを注ぐことができる上、常に同じように美しい泡の層ができます。
綺麗な泡をのせたビールのグラスを短い時間でサーブするアイデアを考えてください。
工業化以前の話です。ロシアの平原に定住するようになった農民は水利の良い大河の岸の高台に村を築くのが普通でした。しかし河は雪解けの季節に一気に水かさを増しますから、高台ごと村が流されてしまう恐れは常にありました。その危険から村を守るにはどのようにしたらいいでしょうか?
(村が作られる地盤は堆積した土砂と考えてください。立地となる高台の高さは数メートルと想定してください)
アナトーリー・ギン、イリーナ・アンドロジェーフスカヤ『150 Творческих задач』
20世紀初頭、アメリカの紅茶商の話です。
販売促進のために、商品の茶葉のサンプルを木の小箱に詰めて、見込み客に配っていました。
しかし、このサンプル配布のコストがばかにならないものですから、一件あたりの茶葉の量を減らすことにしました。
さて、せっかく配布の仕方を改めるのですから、なにかひと工夫して、お客さんに喜んでもらえるようにしたいと思います。
どうしましょうか?
ウィキペディア等を参考にしました。ただし、実際には「お客さんに喜んでもらう」ことをあらかじめ意図していたわけではなく、必要に応じてやってみたら予想外に受けた、ということのようです。
アメリカの田舎町の公園に移動遊園地がやってきました。いたずらざかりのリックとアイバンとケヴィンの3人は連れ立ってでかけます。
3人はまず(大勢がそれぞれ小型電気自動車に乗って限られたヤードの中をごちゃごちゃと乗り回る)バンパーカーに乗ることにします。ルールを守らないものですからケヴィンの車が小さな男の子を乗せた女の人の車に勢いよく衝突してしまいました。係りの人が飛んできて、3人はバンパーカーから追い出されてしまいます。
しばらくして3人がメリーゴーラウンドのところに行くとさっきの女の人と男の子がいて、2人はケヴィンのすぐ前の馬に乗りました。動き出してしばらくすると突然ケヴィンが立ち上がります。係りの人が叫び声をあげます……
さて、あとをどう続けると、面白いお話になるでしょうか?
ある王国に10人の囚人がいました。王様の誕生日に恩赦をすることになりましたが、全員を無条件で釈放したのでは刑の意味がないということで次のような条件がつけられました。
あなたが囚人の1人だとして、釈放される可能性を少しでも大きくするためにはどんな申し合わせをしたらよいでしょうか。
有名な問題のようで、様々な場所で紹介されていますが、次のサイト(ブログ)では、詳しい解説の動画が見られます。(ただし、条件が多少異なります。一見下記サイトの問題の方が難しく感じられますが、同じ考え方で答えを導き出せます)
(敢えてリンクはしませんでした。答えがどうしても思いつかない場合、答えを確認したい場合にコピー&ペーストして、ご覧ください)
大きな群れをなして泳ぐ小魚(例えばイワシ)を網で採る際に、大量の魚が一遍に網にかかるため漁船のクレーンで網を引き上げることができないことがあります。クレーンが使えるように小さな網を使ったのでは非効率です。
どうしたら良いでしょうか。できるだけ魚を傷つけずに短時間で網の中の魚を収穫する方法を考えてください。
レオン・バッティスタ・アルベルティ(1404頃–1472)が1435年に執筆した『絵画論』はルネサンス絵画の指導原理の一つと言える遠近法を幾何学的に基礎づけようとする、最初の近代的絵画論と言われます。アルベルティは「私はなによりもまず、理解されることを望んだ」と記した主旨に従って、当初ラテン語で書いたこの本を翌年には自分で俗語(トスカーナ語)に翻訳しています。
ところでこの本には、著者が「理解されることを望ん」で遠近法を幾何学的に基礎づけた著作として、現在の常識では考えにくい特徴があります。
どんな特徴でしょうか?
山本義隆『十六世紀文化革命 1』みすず書房、2007年 より。
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ある部屋に三つの電球が設置されています。
部屋の外のやや離れた場所に三つのスイッチがあり、それぞれが三つの電球のいずれかに対応しています。
スイッチのある場所からは、明かりがついているか否かを含めて、部屋の中の様子を見ることができません。どの電球がついているかは、部屋に入って確認するしかありません。
どのスイッチがどの電球のものかを確かめるためには、最低何回部屋に入る必要があるでしょうか。
効率のよい確認方法を考えて下さい。
エジプトのピラミッドは中に収めたものを盗掘から守る対策を施すのが当たり前でした。ピラミッドは王の生前に完成させるのが普通です。王が亡くなって遺体を入れた石棺を収めてから、石室までの通路をその断面積よりも大きな重い一枚岩で図のように塞ぎたいと思います。
通路を塞ぐ時点ではピラミッドは完成していますから、王の死後に通路を広げることはできませんし、後から動かせる石では盗掘を防ぎきれません。どうしたらよいでしょうか。ピラミッドの設計者の立場で、石室と通路以外のピラミッドの部分(図の青い部分)の空間を活用して通路を塞ぐ仕組みをつくりこんでください。
先日佐藤琢磨選手が優勝したことで日本でも話題になった、インディカーという米国の自動車レースのシリーズがあります。
大雑把に言えばF1と同じ、フォーミュラカーもしくはオープンホイールカーと呼ばれる、車輪がむき出しになっていて、運転席も覆われていないレーシングカーを用いて行われるレースです。
超高速で行われるレースですから、当然危険が伴います。
典型的な危険な状況はいくつかありますが、特に危険なものとして、車体が浮き上がり、宙を舞ってしまうケースがあります。
車体が裏返しになって地面に落ちると、運転席が覆われていませんのでドライバーにとって大変危険ですし、他の車の上に落ちたり、さらには観客席まで飛び込んでしまったりすると大惨事につながります。
レースカーは基本的に、エンジンの力やドライバーのハンドル操作を効率よく的確に路面に伝えるために、空力を利用して車体を地面に押し付けるような構造になっています。
ですから、前を向いて走っている限りは(単独では)宙を舞うことはないのですが、スピンなどをして車体の向きが変わってしまうと、押し付けるための構造が正反対に働いて、車体が浮き上がってしまう事も起こりえます。
進行方向に対する車体の向きが変わってしまった場合に、車体ができるだけ浮き上がらないようにする仕組みを、考えて下さい。(ただし、通常走行時には高速走行を可能な限り妨げない、という条件があります)
ハイテクマシンですから、高度な技術を用いた対策もありますが、一方で我々でも考えつくことのできる比較的シンプルな対策も、実際に講じられています。
羊飼いの知恵に関するオープンタスクです。
人間と同様、羊にとってもお産には危険が伴います。
お産の過程で母羊が死んでしまったり、生まれた仔羊が死んでしまったり、ということが起こります。
羊飼いとしては、母親を失った仔羊もなんとか育てたいのですが、生まれたばかりの仔羊は人工飼育ではどうしても育たないそうです。
一方、母羊は自分の子供以外はなかなか育ててくれません。
工夫が必要です。
ジェイムズ・リーバンクス著、濱野大道訳『羊飼いの暮らし』早川書房、2017年 を参考にしました。
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古代ギリシアの演劇は、野外で、昼間に行われました。
舞台装置は使われませんでした。
夜の場面を表現する(劇中の時間が夜であることを示す)ために、どのような方法を使っていたでしょうか?
ある会社が、顧客に何らかのモノを送ってもらう必要があるとします。途中で盗まれる危険性を考えなければなりません。
ただし、その「モノ」は、この世にひとつ、というようなものではなく、当の顧客であればいくつでも用意できるものです。避けなければならないのはそれが失われることではなく、第三者の手にわたって悪用されること、と考えて下さい。
そのモノを入れる箱に鍵をかけてもらい、鍵がなければそれが開けられないようにする、という方法が考えられますが、これには問題があります。
まず、会社と顧客の間で鍵のやり取りをする必要がありますが、その途中で鍵自体が盗まれてしまう可能性があります(暗証番号式にしてもそれが知られてしまうかもしれません)。
また、会社は多くの顧客に同様のことをしてもらう必要がありますが、すべての顧客に同じ鍵を使ってもらうとすると、ある顧客が別の顧客のものを盗む、という可能性が出てきます。
顧客ごとに別の鍵を用意すると、顧客が増えれば増えるだけ管理が大変になります。
こうした問題を避けながら安全に送ってもらう方法を考えて下さい。
お気づきになられた方もいらっしゃるかもしれませんが、実はこれは情報通信の分野で実際に使われている方法を念頭に置いた出題です。
通信の際の情報の漏洩、悪用をいかにして防ぐかは現代社会における重要な問題の一つですが、万能の解決策というのはなかなか見つかりません。
今回はこうした問題を考える糸口として、状況を限定して出題してみました。
ミツバチはダンスをして蜜、花粉、水源の在り処や、新しい巣の候補地を仲間に教えます。ところで、蜜、花粉、水源などは在り処が複数あっても何ら問題はありませんが、新しい巣に移動する際には行き先を一箇所に決める必要があります。複数の働きバチが自分の見つけた別々の候補地を示すダンスを始めた場合にミツバチはどうやって候補地を絞り込んでいるのでしょうか。ミツバチの身になって考えてください。
蒸気機関車を走らせるためには大量の水が必要です。したがって長距離の路線では機関車に水タンク車を連結させることになります。(巨大な水タンク車をつかうのでなければ)それでも一定の距離ごとに給水しなくてはなりません。長い編成の列車を一旦止めると再び規定速度に戻るまでにかなりの時間がかかります。したがって、走っている蒸気機関車を止めずに給水することができれば列車の運行速度を早くすることができます。
そこで問題です。走行中の蒸気機関車に給水する方法を考えてください。
一週間時間ができました。
どんなことにでも、自由に使える時間です。
その時間を利用して、なにかひとつ、今まで学んだことのない言語を身につけることにしました。
どのような方針を立てれば、そのことばが話されている土地へ旅行に行っても(非常事態でも起きない限り)不自由なく過ごせる程度まで、一週間で習得することができるでしょうか?
5つから10程度の方針を、考えてみて下さい。
あなたは大切な人に誕生日プレゼントをあげたいと思っています。相手に喜んでもらえる贈り物にしたいと思いますが、欲しいものを聞いたのでは芸がありません。何がもらえるのかという期待感と欲しいものをもらえたという喜びと両方を楽しんでもらえる方法を考えてください。
以下の各項の中にアメリカ合衆国の州または都市の法律として存在する、あるいは、存在したことのあるものがあります。どの法律が、どんな理由で作られたか考えてください。
ニューヨークのマンハッタンとブルックリンの間に懸かるブルックリン橋は鋼鉄のワイヤーを使った世界初の吊り橋として有名です。1883年に完成した古い橋ですが全長1825.4メートル、最大支間長(中央径間)486.3メートル、桁下高41.1メートルという巨大な規模を持ち、現在も毎日12万台以上の自動車が通行するといわれます。
この橋を支える2つの主塔も巨大で水面上の高さは85メートル、重量はそれぞれ約9万トンです。これらの塔は毎日大型船が行き交うイーストリーバーの河口の川底から柔らかい土砂を取り除いた固い地盤上に築いた基盤の上に立てられました。例えばマンハッタン側の主塔の場合、水面から川底までの深さが約12メートル、固い地盤は川底からさらに12メートル下です。
さて、150年前の人たちはブルックリン橋の主塔の基盤をどのようにして作ったのでしょうか。なお、主塔そのものは花崗岩をセメントでつないで積み上げて作りました。
鉄道の駅のホームにホームドアをよく見かけるようになってきました。
ホームドアには、乗客と列車の接触や乗客のホームからの転落を防ぐ機能、つまり乗客の安全を確保する機能がありますが、以下のような課題があるようです。
以上のような課題をすべて完全に解決するのは難しく、現在は鉄道各社やメーカーが様々なアイデアを練り、試作・試験運用を行っている段階のようです。
そこで、上に掲げた課題(他にもあるかもしれません)をひとつ、もしくは複数解決できるようなアイデアを、考えてみて下さい。
「進化続ける鉄道ホームドア 新タイプも続々登場」(朝日新聞 DIGITAL)
というページでは、実用化された、あるいは試験運用中の様々なタイプのホームドアが紹介されています。
高速道路で速度制限を超えて走っている車がいます。
それも一台だけではなく、何台も続けて列をなして、制限速度オーバーのスピードで走っています。
警察は取り締まる際、一列に走っている車のどの車を停止させればよいでしょうか。
可能な限り安全かつ公平な、納得のいく取締り方法を考えてください。
様々な考え方があり得ると思いますので、複数の方法を思いついた場合、それぞれの長所短所について、考えてみてください。
(英語のサイトですが、様々な人が様々な考えを述べています。まったく異なる考え方でも、それぞれに一定の説得力があり、興味深く思いました)
公園の売店でこんにゃく玉を売っています。使い捨ての容器を使わないようにと竹串に刺して売っていますが、その竹串も公園のゴミになるおそれがあります。竹串が決められた場所に捨てられるように知恵を出してください。
https://togech.jp/2016/10/20/41578 より
(このページには「答え」が書いてありますから、あえてリンクはしませんでした。urlをコピー、ペーストしてご覧ください)
鳥にちなんだ問題を探してみました。
日本でもおなじみの大手宅配ピザ屋さんが、ロシアであるキャンペーンを行い大評判になったそうです。
ロシアでは冬の間に餌が不足して、野鳥がたくさん死んでしまいます。
そうした野鳥を少しでも助けよう、というキャンペーンです。
ピザ屋さんとしては、ちょっとした工夫を行った上でお客さんに協力を呼びかけるだけなので、追加の出費はほとんどゼロです。
お客さんの方も、協力と言っても難しいこと・大変なことではなく、むしろ楽しんでできそうなことをするだけです。
その上、本来ならばただ捨てられてしまうものを活用するので「エコ」でもあります。
どんなことをしたのでしょうか?
http://adgang.jp/2016/07/128507.html より
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