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TRIZの古典

アルトシューラ
「技術難問解決アルゴリズム ARIZ-71

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This paper was published with the permission of the Official G.Altshuller foundation: www.altshuller.ru/world/eng/index.asp.

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技術難問解決アルゴリズム
ARIZ-71

ARIZ-71の構造図

第1部 課題の選択

1−1. ステップ1

  • 課題解決の最終目標を特定する。
  • 課題解決の技術的目標はなにか(「対象のどの特性を変化させる必要があるのか」)
  • 課題を解決する上で対象のどれどれの特性は変えてはいけないのか。
  • 課題解決の経済面での目標はなにか(「課題が解決された場合、どのようなコストが低減されることになるか」)
  • (およそ)どれくらいの費用をかけることが許されるか。
  • 改善されなくてはならない主な技術的・経済的指標はどれどれか?

1−2. ステップ2

  • 迂回策の検討。仮に、課題が原理的に解決不能だとする; その場合求められる最終結果を得るには、どのような——より一般的な——課題を解決すればよいのか?
  • (システム分析を行う——付録1のチャートを参照のこと)

1−3. ステップ3

  • 当初の課題と迂回策と、どちらの課題を解決するかを決定する。
  • 当初の課題を、当該技術分野における進化の諸傾向と比較する。
  • 当初の課題を、先進的な技術分野における進化の諸傾向と比較する。
  • 迂回策を、当該技術分野における進化の諸傾向と比較する。
  • 迂回策を、先進的な技術分野における進化の諸傾向と比較する。
  • 〈以上に基づいて〉当初の課題と迂回策とを比較検討する。〈どちらと取り組むか〉選択する。

1−4. ステップ4

  • 必要とされる定量的指標を決定する。

1−5. ステップ5

  • 必要とされる定量的指標に「時間的要素を加味した」修正を加える。

1−6. ステップ6

  • 課題解決の結果が実地に採用される際の現実的諸条件によってもとめられる要求内容を明らかにする。
  • 〈実地〉導入時の各種状況を考慮に入れること。とりわけ、課題解決策はどの程度まで複雑であることが許されるのか。
  • 導入の規模を考慮すること。

第2部 課題の状況の確認

2−1. ステップ1

  • 特許情報に基づいて課題を確認する。
  • (特許情報によれば)当該の課題に近似する課題はどのように解決されているか。
  • 先進的な技術分野では、当該の課題に近似する課題はどのように解決されているか。
  • 当該の課題と逆の課題はどのように解決されているか。

2−2. ステップ2

  • STC(サイズ・時間・コスト)オペレータを使用する。
  • STCオペレータ
    1. 頭の中で、対象としている物体のサイズを現状から0にまで縮小してみる(サイズ → 0)。その場合、課題はどのようにすれば解決されるか?
    2. 頭の中で、対象としている物体のサイズを現状から無限大にまで拡大してみる(サイズ → ∞)。その場合、課題はどのようにすれば解決されるか?
    3. 頭の中で、対象としているプロセスの時間(あるいは対象物体が移動する速度)を現状から0にまで短縮してみる(時間 → 0)。その場合、課題はどのようにすれば解決されるか?
    4. 頭の中で、対象としているプロセスの時間(あるいは対象物体が移動する速度)を現状から∞にまで拡大してみる(時間 → ∞)。その場合、課題はどのようにすれば解決されるか?
    5. 頭の中で、対象としている物体のコスト(あるいは、許される費用)を現状から0にまで縮小してみる(コスト → 0)。その場合、課題はどのようにすれば解決されるか?
    6. 頭の中で、対象としている物体のコスト(あるいは、許される費用)を現状から無限大にまで拡大してみる(コスト → ∞)。その場合、課題はどのようにすれば解決されるか?

2−3. ステップ3

  • 課題の状況を(専門用語を使わず、何を思いつく、発見する、作り出することが必要かに触れずに)以下の要領で2つの文章で〈ごく簡潔に〉記述する。
    1. あるシステムがあり、これこれの要素 (リストアップする)を含む。
    2. 要素(具体的に記載する)は、
    3. これこれの状況(記載する)において、
    4. 次の望ましくない影響(記載する)を与える。

例:

  • 「電気回路があり、直流発電機、導線、電流を使用する機器、スイッチを含む。スイッチが繋がるとき、切れるときにスパークが発生する」(課題 No.1)
  • 「パイプがあり、弁が付いている。パイプの中を鉄鉱の粒子が混じった水が流れている。粒子が動く際に弁が磨耗する」(課題 No.21)
  • 「湾があり、沿岸、水底、水、および水底に沈殿した粘土層が含まれる。粘土層を、既知の方法を使って除去しようとすると環境を汚染し、長い時間と大きな費用が必要になる」(課題R)
  • 「大きな重量のコンクリートのパイプが垂直に立っていて、斜面がありそこにパイプを降ろさなければならない。パイプは、クレーンなどの装置を使って傾けてゆかないと斜面に倒れて壊れる可能性がある」(課題 No.37)

2−4. ステップ4

  • 上の2-3.a. でリストアップした要素を次の表のしかるべき箇所に入れる:
システムを装置と捉える場合 システムを方法と捉える場合
a. (与えられた情況・条件のもとで)交換、改造、設定変更を行うことができる要素
b. (与えられた情況・条件のもとで)何らかの変化を加えることが困難な要素

例:

  • 課題 No.1では、直流発電機、導線、およびスイッチは「a」; 電流を使用する機器は「b」に分類される(機器は様々な機械装置であり、これらに変化を加えることは困難である)。
  • 課題 No.21では、パイプと弁とは「a」、水と鉄鉱の粒子とは「b」。
  • 課題Rでは、全ての要素は「b」である。
  • 課題 No.37では、斜面とコンクリートパイプは「b」である(パイプを変化させることは一切不可。斜面は大きく変化させることはできない)。

注:表では、一方の縦列(コラム)を記入するだけでよい。つまり、システムを装置とみなすか方法とみなすかどちらか一方を選ぶ。

2−5. ステップ5

  • 上の2-4で「a」に入れた要素の中から一番大きく交換、改造、設定変更を行うことができるものを1つ選択する。

注:

  1. 2-4の「a」の要素が、どれも同じ程度に変更可能な場合は、動かない要素から検討を開始する(通常、動かないものは動くものより変更が容易である)。
  2. 2-4の「a」の要素の中に、望ましくない影響に直接関係している要素(通常、上記2-3.b.に記載されているもの)がある場合は、その要素は最後に選択すること。
  3. システムには2-4の「b」の要素しか無い場合は、要素として外部の環境を選択する。

例:

  • 課題 No.1では、直流発電機、導線、およびスイッチと3つの要素が「a」に属する。内、スイッチは望ましくない現象(スパークの発生)に結びついている。従って、直流発電機あるいは導線を選択することになる(直流発電機全体は動かない、従って導線を優先的に選択してはいけない)。
  • 課題 No.27では、弁は望ましくない影響(磨耗)に直接関係しているので、パイプを選択する。
  • 課題Rと No.37では全ての要素は2-4の「b」となっている。よって、外部環境を選択する。

第3部 分析段階

3−1. ステップ1

  • 次の形でIFR(Ideal Final Result=理想最終解)を下記の形式にそった文章にする(以下「定式化する」とする):
    1. 物体(2-5で選択したものを選ぶ)は;
    2. 何をするか。
    3. それ自身、どのように働くか。
    4. いつ、働くか。
    5. どのような、必要条件のもとで(制約、求められる条件、など)。

例:

  • 課題 No.1では;
    「直流発電機は …… 電流の供給を、中断し、再開する …… 自分自身で …… 機器が必要とするときに …… スパークを発生しないで。」
  • 課題 No.21では;
    「パイプは …… 自分の断面形状を変更する …… 自分自身で …… 流れを調整する必要のあるときに …… 磨耗を発生させずに。」
  • 課題Rでは;
    「外部環境は …… 粘土層を除去する …… 自分自身で …… 短時間の間に …… 海水、沿岸、大気を汚染せずに。」
  • 課題 No.37では;
    「外部環境は …… パイプを降ろす …… 自分自身で …… パイプ敷設時に …… 破損を生じさせずに。」

3−2. ステップ2

  • ポンチ絵を2つ描く:  「前」(理想最終解以前)と「後」(理想最終解後)。

注:

  1. ポンチ絵は、「前」と「後」の要点を抑えてさえいれば、正確である必要は無い。
  2. 「後」のポンチ絵は、文章で定式化した理想最終解と対応していることが求められる。

確認:

  • ポンチ絵には、2-3.a.でリストアップした要素が全て表現されていなくてはならない。
  • 2-5で外部環境を選択した場合には、「後」のポンチ絵には外部環境も表現されていなくてはならない。

3−3. ステップ3

  • 「後」のポンチ絵の中で3-1.a.の要素に着目し、その要素の中の、必要条件のもとで求められる働きを果たすことのできないのはどの部分か、その部分を見つけ出す。その部分に(影をつける、色を塗る、輪郭を強調するなど)しるしを付ける。

例:

  • 課題 No.21では — 外パイプの内側表面にしるしをつけることになる。
  • 課題 No.37では — 外部環境の内、パイプと斜面との間の部分。
  • 課題Rでは — 湾内の水底の部分(外部環境の内のほかの部分——海、沿岸、大気は 3-1.e.で既に除外されている)。

3−4. ステップ4

  • この部分はなぜ求められる働きを果たすことができないか。

例:

  • 課題 No.21;
    「パイプの内側表面は、縮んだり、広がったりすることができない。」
  • 課題 No.37;
    「パイプと斜面との間の外部環境は、ゆっくりとパイプを降ろすことができない。」
  • 課題R;
    「湾内の水底の部分(深い、海底の地下)は、水底と繋がっている空洞を持っていない。」

3−5. ステップ5

  • どのような条件があれば、その部分は求められる働きを果たすことができるのか(どのような特性を持っている必要があるのか)。

注:ここでは、望ましい特性を持たせることが現実に可能か否かを考えないこと。どうやって実現するのかは心配しないで、単に必要な特性を指摘すること。

例:

  • 課題 No.21;
    「パイプの内側表面に、何かが生じる、蓄積するなどして、その後——必要に応じて——消滅する。」
  • 課題 No.37;
    「パイプと斜面との間の外部環境が、ゆっくりとパイプを降ろすことができるような密度を持つ。」
  • 課題R;
    「湾内の水底の部分(深い、海底の地下)に、水底と繋がっている空洞がある。」

3−6. ステップ6

  • 問題の部分が3-5で指摘された特性を持つようにするには何をすればよいのか。

ポンチ絵〈に描いてみる〉:

補助的な質問:

  1. ポンチ絵の中に、問題の部分が求められる望ましい特性を持つとしたら、付加されることになる力〈作用〉を矢印で記入する。
  2. どういう方法を使えば、そのような力〈作用〉を生み出すことができるか。
  • 3-1.e.の条件に反する方法は除外すること。)

例:

  • 課題 No.21;
    「パイプの内側表面に、鉄鉱の粒子あるいは水(氷)を蓄積させる。」パイプの中には他の物質は存在しないので、選択肢は以上に限定される。
  • 課題 No.37;
    「パイプと斜面との間に空気ではなく、なんらかの密度の高いもので、少しずつ取り除くことが容易なものを入れる——氷、砂など。」
  • 課題R;
    「湾内の水底の部分(深い、海底の地下)で、自然の空洞を探すか、人工的に空洞を作って、水底と空洞との間をつなぐ隙間でつなぐ。」

3−7. ステップ7

  • 現実的に可能かもしれない方法をまとめる。そうした方法が複数ある場合は有望性を数字で(最も有望なものを1とするなど)示す。方法を文章で記録する。

3−8. ステップ8

  • 有望性を1とした方法を実現する機構図を描く。

図:

補助的な質問:

  1. この機構における作用部分はどのような物質相になっているか。
  2. 作用の一サイクルの間に機構の中でどのような変化が生じているか。
  3. 作用が何サイクルも多数繰り返した後には機構はどのように変化するか。
  • (課題の解決策を発見したら、ステップ3-7に戻って有望性2以下の他の方法について、同じ検討を繰り返す)

第4部 解決策アイデアの予備的評価

4−1. ステップ1

  • 上で考えた機構を使用した場合に何が悪化するか。複雑になるのは何か、コストが上がるのは何か、書き出すこと。

4−2. ステップ2

  • 機構を修正することによって悪化する点を改善できるか。出来る場合は、修正後の機構図を描く。

4−3. ステップ3

  • 今度は何が悪化するか。(複雑になる点、コストが上がる点、など)

4−4. ステップ4

  • 改良される点と悪化する点とを比較する。
    1. どちらが大きいか
    2. なぜ
  • もし、改良される点の方が大きい場合には(可能性としてであったとしても)、ARIZの総合段階に進む。
  • もし、悪化する点の方が大きい場合には、ステップ3-1に戻る。繰り返して行う分析とその結果をいままで使ってきた同じ記録用紙に記入する。

4−5. ステップ5

  • もし、今度は改良される点の方が大きい場合には、ARIZの総合段階に進む。もし、繰り返して行った分析によって新しい結果が得られなかった場合には、ステップ2-4に戻り、作った表を再確認する。ステップ2-5で前回と異なる要素を選択し、改めて分析を行う。同じ記録用紙に、分析の過程を記入する。
  • 4-5の後、満足のゆく解決策が得られない場合は、ARIZの次の段階に進む。

第5部 操作段階

5−1. ステップ1

  • 技術的矛盾除去表を用いる(付録2[訳注1])。課題の状況に基づいて、改良しなくてはならない特性を垂直方向の欄から選択する。

5−2. ステップ2

  • 既知の方法を用いてこの特性を改善するには(悪化する点を考慮しないとすれば)どうするか。

5−3. ステップ3

  • 5-2に対応する特性を水平方向の欄から選択する。

5−4. ステップ4

  • 表にしたがって、技術矛盾除去のための方法を特定する。

5−5. ステップ5

  • 上の方法を課題に適用できるか否か確認する。
  • (方法の意味とその例とは、付録3[訳注2]
  • もし、課題が解決されたならば、ARIZ第4部に戻って、発見したアイデアの評価を行いARIZ第6部に進む。もし、課題が解決されていなければ、ステップ5-65-75-8を行う。

5−6. ステップ6

  • 検討の対象としているモノと一緒に働いているモノをどのように変化させることが可能か、検討する。

補助的な質問:

  1. 課題で検討されているシステムはどんな上位システムの一部になっているか。
  2. 検討中のシステムでなく、上位システムを変化させるとしたら、課題をどのように解決するか。

5−7. ステップ7

  • 時間的な観点からどのように変化させることが可能か検討する。

補助的な質問:

  1. 課題の状況で生じている作用を時間的に〈引き延ばす〉ことによって、矛盾を取り除くことはできないか。
  2. 課題の状況で生じている作用を時間的に〈縮める〉ことによって、矛盾を取り除くことはできないか。
  3. 課題としているモノの仕事が始まる前に、必要な作用を前もって行ってしまうことによって、矛盾を取り除くことはできないか。
  4. 課題としているモノの仕事が終わった後で、必要な作用を後から行うことによって、矛盾を取り除くことはできないか。
  5. 課題の状況では作用が間断なく行われているとすれば、作用を間欠的にすることができないが検討する。
  6. 課題の状況では作業が定期的に行われているとすれば、作用を間断なく行うようにできないか検討する。

5−8. ステップ8

  • にかよった課題は、自然界ではどのように解決されているか。

補助的な質問:

  1. にかよった課題は無生物の自然の中ではどのように解決されているか。
  2. 同様な課題は死んでしまった、あるいは、太古の生物ではどのように解決されているか。
  3. 同様な課題は現在の生物ではどのように解決されているか。その場合には、進化の上での傾向はどうなっているか。
  4. 技術によって使われている素材の特性を踏まえると、どのような修正を加えることが必要か。
  • もし、課題が解決されていない場合には、ステップ1-3に戻る。もし、課題が解決されたら、ARIZの第4部に戻り、発見したアイデアを評価し、ARIZ第6部に進む。

第6部 総合段階

6−1. ステップ1

  • (課題状況によって)変化させたシステムがその一部となっている上位システムをどのように変化させなくてはならないか明らかにする。

6−2. ステップ2

  • 変化させたシステムを新しいやりかたで利用することが可能か検討する。

6−3. ステップ3

  • 発見した技術的アイデア(あるいは発見したものと逆のアイデア)を他の技術的課題を解決する際に活用する。

付録1

技術システムの進化の一般的図式
階層 システムの構造 問題、困難、対立——課題の源泉 よくある失敗 基本的な解決アプローチ
1 A: B: C...
システム以前の段階。それぞれ独立した複数のモノ。
個々のモノはそれ独自で進化(あるいは活用)の可能性が尽きている。 個々のモノとしてさらに改良を続けようと努力する。 独立しているモノを組み合わせてシステムを作る。
1-2
移行期
A + B + ...
不安定なシステム。
システムにとって不可欠ななんらかの部分(部品)が不足している、あるいは、不適切である。
部分(部品)同士の相性が悪い。
A1, A2, A3 など同種の中で最も進んだモノばかりを選んで組み合わせようとするが、それが最も将来性があるわけではない。 モノの中の〈シンデレラ〉{目立たない優れたもの}を捜す。
手に入れることの出来ないモノを人で置き換える。
2 (An + 人 + Bn + 人 + Cn...)
安定した進化途上のシステム。
モノはシステムの部分となった。個々の部分は独立して仕事をすることが可能だが、システムは全ての部分が作用して始めて成果をだす。
システムの進化の可能性(余地)はシステムの部分となっている人の能力によって制約される。 (人)の部分をそのままにしてAn, Bn... の部分を進化させようと努力する。 (人)の部分を仕組み/機構(M)によって置き換える。
2-3
移行期
(An + Mm + Bn + Mm + ...)
不安定なシステム。
人の動きをコピーした機構(Mm)がシステムの進化の可能性を制約する。 システムに組み込む以前の傾向と同じ方向に(Mm)を進化させる。 各部分の機械的な組み合わせから、要素(E)を有機的に組み合わせた合成システムへと移行させる。
3 (Ea + Em + Eb + Em + ...)
安定した進化途上のシステム。
個々の部分はシステムの要素になり、一般的には、一緒になってはじめて仕事をすることができる。
どれか1つの要素を改良すると他の要素が(あるいはシステムが全体として)大きく劣化する(改悪される)。 1つの点で利を得ようとして、他の点で損失のあることを考慮に入れない。 専門化(特化)したシステムの創出。
31 (E1a + E1m + E1b + E1m + ...)
専門化して進化する安定したシステム。
専門化が進むにつれてシステムを使える用途が狭くなってゆく。コストの増加。 専門化をさらに進めようと努力を続け、莫大な数の専門システムをつくり出す。 システムを根本的に作り直す:別の物理的(あるいは化学的)作動原理に移行する。
3-4
移行期
(E1aE2a + E1mE2m + E1bE2b + ...)
折衷型の不安定なシステム。
システムの極端な複雑化。進化の力強さが失われる。 要素(下位システム)を様々に組み合わせる試みを継続する。 別の物理的(あるいは化学的)作動原理への移行。
4 (SSa + SSb + SSc + ...)
新しい原理に基づく安定した進化途上のシステム。
個々の要素は下位システム(SS)へと進化してゆく。
システムの進化につれて、ある時点からシステムと外部環境との間で問題が生じる。 〈緩衝役〉下位システムを込み込んで問題を〈なだめよう〉と努力する。 外部の環境から独立した閉鎖システムへの移行。
4-5
移行期
不安定なシステム。
作動時間中(あるいはその一部で)閉鎖的なしくみが採用される。
使い方が複雑になる。
作動時間が制約を受ける。
個々の下位システムの改良を継続する。 システム全体を根幹から作り直す:別の(ミクロレヴェルの)作動原理への移行。
5 安定した進化途上の閉鎖的システム。 システムそのものをサポートする下位システムの数が徐々に増加する。 システムを改良する努力を継続する 超システムへの移行:現在のシステムをより高次なシステムにその一部として組み込む。
... ... ... ... ...
P (Sd1 + Sd2 + Sd3 + ...)
自動的に進化するシステムから出来上がったシステム。
... ... ... ... ...

[訳注1]当サイト内の「技術的矛盾除去方法の適用表」と同じものです。
(pdfファイルへの直接リンク:altshuller1973tablica.pdf

[訳注2]当サイトに翻訳があります。
http://www.trizstudy.com/altshuller1973.html

書誌
G.S.アルトシューラ『技術難問解決アルゴリズム ARIZ-71』
バクー:アゼルバイジャン・コムソモール中央委員会付属発明創造学校および発明家・改革家全ソ協会アゼルバイジャン共和国支部、1971年、18頁、付録付
(Альтшуллер Г.С.
Алгоритм решения изобретательских задач АРИЗ-71.
— Баку: ОИИТ при ЦК ЛКСМ Азербайджана и Азербайджанском РС ВОИР, 1971. — С.18. — Приложения.)

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