イーゴリ・レオナルドヴィッチ・ヴィケンチエフ (Игорь Леонардович Викентьев) の論文を紹介します。当サイトでは三本目の紹介です。
著者は1957年生。1998年にアルトシューラが認定した65人のTRIZマスターの一人です。
この論文は、すでに紹介した「TRIZ教育の生理心理的基礎」「TRIZ教育のステップと教育上のテクニック」と重なっている部分もありますが、自分の頭で考える人を育てる上での要点といった形でまとめられた文章です。小・中学生に教える際に使う問題の例など、 TRIZを教える人にも、技術者に限らず革新的なアイデアを得るために学びたい人にも参考になる点が多いとおもいます。
この論文には著作権があります。
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無断転載は禁止いたします。
V.G.ベレズィーナ/I.L.ヴィケンチエフ/S.Y.モジェーストフ『創造的な人の子供時代:不思議との出会い、良い指導者、有意義な目標』(サンクトペテルブルグ、TRIZ-チャンス、1995年)の内容の一部を紹介します。(30-40頁および51-57頁)
ここに紹介する章は I.L.ヴィケンチエフが若い「研究者」「開発技術者」を対象に行った試験的な研究に基づいて書いた部分です。著者は才能のある子供、天才の教育、能力の高い子供といった言葉は使っていませんがこういったテーマに関心のある皆さんにも興味を持っていただけるかもしれません。
なお、文中でCPはCreative Personalityを指すこととします。
本章の内容はイントロダクションの部分で触れられている「創造的な性格の形成についての研究」というほど包括的なものではありません。しかし、CPの伝記の研究よりも子供たちを実際に教えた経験に大きく依拠している点で独自の長所をもっていると思います。この章の目的は同じ目的を持つ同僚に私たちの経験を伝えることです。
本書の著者の一人 I.L.ヴィケンチエフは1986年から「キーロフ工場」付属の「キーロフっ子」文化センターのサークルで小・中学生を対象としてTRIZの基礎を教えました。サークルのクラスに入る入学試験はありません。参加者に唯一求めたのは勉強して成長したいという最低限の希望を持っていることです。
ここでは、クラスの生徒の多くがTRIZを使って簡単な技術分野の問題(こうした問題の一部は参考文献3で公開されています。また、付録1「TRIZ学校で小・中学生に教える際に用いる典型的な問題の例」でも紹介しています)を着実に解けるようになると、教師は上級生が(サークル内のコンクール用に教師が考え出した問題ではない)現実の研究上の問題を解くことができるか見極める新しい課題に取り組み始めます。本物の大人の研究者を相手に競うわけです。
研究対象として選んだのは自然科学的なアプローチの物理学や生物学の現象ではなく、宣伝や報道の分野のテクニックの研究です。
この対象を選択したのには訳があります。まず、サークルの参加者にとって自分が考えていることを正確に伝えられることは常に有益です。他方で、この作業に必要なのは新聞や雑誌のファイル、筆記のための用紙、そして自分の頭だけで、他には何も要りません。この企画の一部、6人の生徒と行った学習については既に印刷物になって公開されています。しかし、こうして選択した研究対象の難しさは——白状しなくてはなりませんが——参加者の力量を超えることがわかりました。そこで、より限定された宣伝用の文章の構成を課題とすることにしました。私たちが犯した失敗や、ジャーナリズムや広告宣伝に用いられている方法についての共同研究の観察結果は本章で以下に紹介されます。
教えた通りにすれば確実に解決策の見つかる問題を素材とした授業の過程で、まず1つの状況が明らかになりました。心の中に葛藤、コンプレクス、学習に集中することを妨げる感情の高まりといったものを抱えた状態では、子供たち(大人でも同じことですが)は学習中に定められた手順に沿って考えることを妨げられ、創造性が求められる問題を安定して解決することはできないということです。研究者を養成するには、事前に心理療法が必要なのです。ところで、この言葉を恐れないようにしましょう。社会が問題を抱えているときには、CPが出現するとしても偶然のことで、むしろなんらかの間違いで生まれることがあるということでしかないのです。
私たちは1つの矛盾に直面しています。生徒たちには、一方で、日常生活の有り様、学校、マスコミによって画一的な思考と行動様式が押し付けられ、他方サークルでは問題をじっくり考え抜くこと、方法に従って学習することが求めれます。(ところで、CPの伝記を読むと穏やかで創造的な環境は、しばしば孤独な生活や母親や指導者による子供への心遣いによって作り出されていることがわかります。正直に言って、工場の寮に付設された文化センターではこうしたことはあまり現実的ではありません。)
TRIZの原則では、2つの要請があってそれらを両立させることができない場合に、もっとも簡単な対処法は2つの要請を順番に満たすことです。従って、生徒の置かれた環境を大きく変化させることはできないならば、教師としては力を尽くして授業の中で落ち着いた信頼感に満ちた環境を作り出すしかありません。しかし、義務教育の学校とは逆で、生徒たちは一様に、おそらくは無意識のうちに、サークルの教師は「民主的で」なんでも許してくれるはずだと思い込んでいます。
もう1つ新たな問題があることがわかりました。サークルの生徒たちと教師との間の相互信頼の関係は維持しなくてはなりません。その一方で、短時間のうちに子供たちを創造的な学習に取り組める心構えに引き込まなくてはなりません。
これを実現するために、私たちはいつも芝居がかった儀式のような仕組みを使うことにしました。サークルの教室への入り方、仲間同士の挨拶、授業を始めるときの決まったやり方、質問への回答の仕方:(「うーんと……、えーと……、なんていうか……」ではなく)「私はこう思います……」「私の考えでは……」——こうしたことの詳細は生徒たちの書いた参考文献4を参照してください。つまり、ルーチン、作法に従った、格好良く魅力的な行動様式です。しかも、教師の指示に従ったやり方です。それだけ? そうではありません。最大の秘密は別の点です。一旦こうした行動様式がクラスに徹底すると、今度は何かを変化させます。座席の配置、個々の生徒の役割、使う言葉、動作などを変化させます。その理由を、簡単に言うならば、生徒たちはこうしたルーチンを身につけることより、むしろ、1つの状態から別の状態に移行すること、日常的に親しんでいる学校でのふらふらした心構えから、スマートなビジネススタイルに移行すること、駆け足のリズムから、私たちのサークルのウオームアップのようなペースに、急がずに難しい問題を検討するむしろゆっくりすぎるほどのリズムに移行することを学ぶのです。サークルの教師は子供たちの学校や家庭の環境を変える力はありません、その代わりに、サークルでの週に何時間かの授業が子供たちにとって他とは全く別の時間、際立った(素晴らしい)時間となるようにと心がけました。
しかし、生徒たちの感情の状態を大人が指導して変化させるのは、研究者の育成の入り口でしかありません。次の段階は(成果としてはるかに劣ることになったのですが)「標準的な状態」から自分の感情を(最終的には、どのような状態へも)自覚的にコントロールすることへの移行です。
古代ギリシアの時代に7人の賢人がデルフォイ神殿の壁に書かれた「己自身を知れ」という言葉で三日間の会合を締めくくったといいます。「キーロフっ子」サークルの教師はこの極めて有名な格言の意味の深さをTRIZに出会って初めて感じ取ることができました。私たちが、霊感によってではなく、着実に難問を解決してゆき、創造的な状態に入り込むことも、——同様に重要なのですが——そこから抜け出すこともできる、優れた研究者を本当に育成したければ、私たちはその人に自分の意図、思考、行動を意識すること、一言で言えば振り返って反省すること、を教えなくてはなりません。なぜそれがそれほどまでに重要なのでしょうか。もしも科学(あるいは芸術)に取り組むことが単に自己実現の手段であり、注目の的となり、学問ではなく個人的な問題を解決することだとしたら、それは、ゆっくりとしかし確実に人格を損ない、結局は仕事も失敗に終わることだからです。
研究者は社会が問題を解決する主要な手段だといえます。しかし、同時に研究者は自分自身の問題を抱えた人間でもあります。性、経済、社会的なステータスといった問題は研究者の主な仕事だけによるのでなく、また、それに大きく依存せず解決されることが望ましいと言えます。
例49
マーシャは驚くほど長くスマートな足と魅力的な眼差しによってホールの男性を感嘆させながら「アラを出せ!」という声に意味ありげに「アラは来るわ!」と答えた。彼女ほど著名なスターがスキャンダルを避けることができないのは当然と言える。マーシャ・ラスプーチナは{大先輩にあたる大物歌手の}{訳注}アラ・ボリーソブナが若い夫と一緒に泊まった{サンクトペテルブルグの新しい高級ホテル}ネフスキーパレスのプレジデンシャル・スイートをひどく妬んで、{同じサンクトペテルブルグの古い高級ホテル}アストリアにとっていた部屋が自分ほど高い地位の者にはふさわしくないと、手袋を変えるように取り替えた。提供された車もマーシャのお気に召さなかった。シベリアの歌姫マーシャの機嫌は議員御用達の高級車チャイカがやってきてようやくおさまった。コンサートの後、{前述の大先輩}アラ・プガチョーバと違いマーシャはすぐ近くのモスクワ駅まで歩くことを拒み同じチャイカで送らせた。
(7)
訳注:{ }内翻訳者。以下同じ。
ですから、自分を肯定できる分野は複数持っていることが望ましいと言えます。また、そうしたものが複数あったにしてもしばしば自問自答することは有益です(自分自身を欺くことがないように「なぜ?」と)。
こうした心理的な面からの失敗と同時に、(特に始めたばかりの)研究者は次のような典型的な学問上の失敗について知識を持っておくことことが望まれます。
指針 1
研究に取り掛かる以前に、次のことが望まれます:
先に進んで、研究者の育成そのものについて説明したいとおもいます。
誰もが認める事実ですが、創造的な構想を考えるときには、考えるための技術や、構想を仕上げる方法について考えてはいけません。そこを考えてしまうと、研究者はそちらの方に精力を使い果たしてしまったり、当初の課題の方が未解決のままで終わってしまうことになります。ですから、現代の研究者はTRIZのような、問題解決に自由に活用できる技術を使いこなせることが必要となります。
こうした目的のためにサークルで使った主な方法を下記に列挙しておきます:
例50
参考:優れた理論物理学者レフ・ランダウについて、雑誌を読む際に分野には一切こだわらなかった、就学中の若い時には物理学上の問題を解決する方法を意識しないために教科書に載っている問題を何百と解いた、膨大な量の物理雑誌を読んだ、それまでに得られていた様々な物理量を自分で計算し直した、などの神話が広く知られています。(参考文献6、p.203)
ここで、通常の教育に関連する問題に1つ触れておきたいと思います。それは、モチベーション、あるいはストレートに表現すれば「教育計画に織り込まれてしまっている、生徒にとって不必要で、彼らが嫌がる科目をどうやって学ばせるか」という問題です。私たちのサークルにはそういった問題はありませんでした。そうなることに最も効果的だったものが2つあります。第一は、出欠は自由ということです。創造性は強制しなくても教えることができますし、強制せず、学ぶのが好きだから学ぶようにするべきです。第二は、初めて自分で解決した問題、初めて作った動く試作品、本物の大人の技術者の賞賛といったことが自然に、さらに成長したい気持ちを引き出してくれます。 20世紀末は創造ということが普通の生き方になっている時代です。(99.9%の人々について、慣れ親しんだ行動や思考の習慣が創造のレベルまで到達するのを妨げていることは別の事情です)
ここまでは既に完成されている思考モデル、方法、問題解決法について書いてきました。しかし、学問の課題は何よりもまず研究している現象について自分で新しいモデルを創り出すことにあります。これに関連して次の点に触れておかなくてはなりません。 19世紀、20世紀のヨーロッパの優れた科学者の伝記によると、彼らは家庭生活において、あるいは学生時代にマルクス主義の文献に関心を持ったことがあるといえます。私たちはそうしたことが書かれていることを単に過去のイデオロギーの遺産ではないと考えたいのです。それどころか、問題はマルクス主義なのではなく、一般的でない、むしろ禁断的な世界観にあるのです。(なんらかの精神的な問題を抱えた人々は、ごく自然にこうしたものの見方をするようになります)
テイーンエージャーを相手に教えた経験に基づいて、TRIZにしろ他の何かにしろ一点張りの狂信者を育ててしまわないためには、身の回りのものや研究対象とする現象について複数の多様なモデルを使いこなすことを初めから教えておくことが極めて有益だと私は確信しています。
例51
当時のハーバード大学は哲学研究が盛んな場所でした。ウォルター・リップマン(将来の「アメリカ政治学の父」、注:I.L.ヴィケンチエフ )の場合、哲学は1908年の秋のある朝、大学2年生だった彼の住む質素な家の戸口に灰色の髭をした立派な身なりの老人、当時のアメリカ哲学の大立者の一人ウィリアム・ジェームズ教授、が立ってドアをノックするという形で訪れました。教授は家に入ってきてリップマンが学生新聞に素晴らしい記事を書いたことを祝福してくれたのですが、この予期せぬ訪問がきっかけとなってジェームズの家で決まって紅茶を飲みながら、永遠の真理から日常的な出来事に至るあらゆる問題について議論する一週間にわたる対話が始まることになりました。老いた哲学者はこの生き生きとした極めて感受性に富む崇拝者に惹かれ、一方で、初めてのお茶の後で「私の大学生活で最高の出来事」と両親に書き送っているように、この対話はリップマンにとって真の学びの場となったのです。
(参考文献8、p.13)
このように、1つの問題について様々な見方を自由に使い分けること、ある現象について1つのモデルから別のモデル移行すること、公的に認められた真理を複数の可能性の中の1つと捉えられること、こうしたことは研究者となり研究者であり続ける上で有益なことなのです。
このような狙いから、1年目のクラスの12–14才の生徒を対象とするトレーニングでは、次のような手段を用いました:
注:こうした手段、時に「教師の間違い探し」や「突っ込んだ質問」は教師が惰性に陥いることなく成長し続けることを助けてくれます。回想録によれば、著名な映画監督のミハイル・ロンムは自分が教える生徒たちに向かって「私が皆さんにとって必要なのより、もっと多く、皆さんが私にとって必要なんですよ」と言っていたとのことです。
サークルでの学習が2年目に入ると以上に加えて:
we have to live today by what truth we can get today and be ready tomorrow to call it falsehood” William James}という言葉を紹介すると面白いと思います。
以上の手段をしっかりと理解して手を打ったとしても、実際の研究の過程では常に失敗が生じてしまいます。そうした失敗のあるものについてはあらかじめ知識を持っておく必要があります。そこで、研究について学び始めた当初の生徒が冒しやすい典型的な失敗のリストを以下に挙げておきます。
指針 2
他の章で既に述べられたこととの重複をはぶいて、研究者の育成過程で生徒たちに教えたいことを下記します。
文献に書かれていることを概括すると、CPの出現を早い段階で(一切保証するわけではありませんが)促進するのは高い(見せかけでない)識見を持った指導者だということが確認できます。その識見には次が含まれます:
上級生を対象とするTRIZの授業を通じて得られた実験的なデータによれば(意思の力で目的を達成しようと努力できる、集中することができる、くつろぐことができる、などの)一般的な能力の他に次のことを生徒に教えることが望まれます:
難問の解決に挑む、膨大な研究を行うといったより深い仕事をするためには、生徒に次のことを(TRIZも用いて)教えることが望まれます:
ここでは、TRIZのルールに従った問題の解決ステップ、実践的な問題解決に関連する実験データの紹介は割愛します。これらは、ご自身で情報を探索していただければ見つけていただけます。ここでの目的は、単に典型的な問題とはどんなものかというイメージを持っていただくという別のことだからです。
以下に、それぞれのタイプの問題がどんなものか紹介いたします(問題1と2とは、V.I.チモーホフとD.N.トリフォーノフが小・中学生の学習に推奨している問題です)。
以下の各問題には原文内に解答例が紹介されているものもありますが、当ページでははじめはその内容を隠しておくようにしました。設置したボタンをクリックすると表示される仕組みです。 Javascriptを使用していますので、Javascriptが無効になっているとボタンが使用できません。その場合はページ末尾をごらんください。(翻訳者)
南アフリカのトランスバール地方の農民がみかんを栽培していましたが、ここ数年ヒヒの群れがやってきて収穫がほとんど台無しという状態です。どうしたら良いでしょうか?
農民はみかんの木の間にレモンの木を植えました。ヒヒは甘いみかんを食べるつもりが酸っぱいので驚きました。実験を始めてほぼ半年たつとヒヒはその農園に関心を持たなくなってしまいました。
コロンビアの首都ボゴタの競馬場で、一頭の馬がスタートと同時にダッシュをかけてそのまま一着でゴールしてしまいました。審判は何かがおかしいと考えました。ところが、ドーピング検査では何も見つかりません。馬の動きからすると{ボゴダの競馬では禁止されていた}拍車を使ったように見えますが、拍車も見つかりません。どうやって馬を全速力で走らせたのでしょうか?
やはり極めて巧妙に「拍車」が使われたのでした。ジョッキーは鞍の下にドライアイスのかけらを入れておいたのです。冷たくて痛いので馬は全速で駆け出しました。ドライアイスはゴールに入った後で溶けてなくなってしまったわけです。
ダムの取り壊しなどで水中で爆発を起こさせると、魚が死んでしまうことは避けられません。原因は猛烈な衝撃波です。爆発が魚にもたらす被害を軽減させる簡単な方法をいくつか提案してください(方策は複数考えられます)。
キーロフ工場の検査基準では出荷時のトラクターのタイヤには車体色である黄色あるいは赤の塗料が付着していてはいけないことになっていますが、車体検査の後にエアスプレーを使って手作業で仕上げ塗装をする際にどうしてもタイヤに塗料がついてしまいます。
仕上げ塗装の前にタイヤの塗料がつく恐れのある箇所を泡で覆い、塗装が済んで塗料が乾いてから泡を洗い流す。
寒い時期に鉄道のポイントに雪が詰まったり凍りついて動かなくなってしまうことがあります。
ポイントの間にフォームラバーのような多孔性物質に古いオイルなどを沁み込ませたものを置いておく。
フォームラバーは柔らかいのでポイントの動きの邪魔はしないが、ポイントの間に雪が入り込むことは防いでくれる。オイルを沁み込ませておくのは水が沁み込んで低温時にフォームラバーそのものが凍りつくことを避けるため。
{参考:日本では、上記の他に温水ジェット、融雪マット、ポイントに屋根をかけるなどの方法も使われています}
{螺旋とは回転しながら回転軸と垂直方向に上がって行く曲線です。}産業で活用されている螺旋の中で最も多いのは紀元前287–212年頃に生きていたとされるアルキメデスの作った螺旋{水平面の投影図が等間隔に中心軸から広がって行く螺旋}です。特許情報を見ると20世紀以上経った現在でも螺旋の形態はアルキメデスが考えた時代から大きくは変わっていないように見受けられます。
アルキメデスの螺旋と異なる螺旋を少なくとも10個考え出して、それを産業、日常生活でどのように利用することができるか考えてください。サークルのリーダーに相談しても結構です。授業中に全員で議論する中で見つかった螺旋は3–4個までは使っても結構です(活用アイデアは自分で考える)。
ツヴィッキの形態素分析と技術システムの進化の法則の組み合わせ
研究的な問題には最終的な正解というものはありませんから、以下では問題の条件だけ紹介して、読者の皆さんに自分で解決する機会を差し上げることにしたいと思います。
次の表現について考え、その表現を「肯定的に(ほめるために)使った場合」と「否定的に(けなすために)使った場合」の模範例を作ってください。そして、肯定的例・否定的例の作り方を考えてください。
また、どちらの模範にも当てはまらない例外(の使い方)を探してください。
上のタイプの比喩作りを手順を踏んだ方法の形に整理してください。
I.M.ヴョールトキン「創造的な人とは」(抜粋){ロシア語サイトへのリンク}
http://www.triz-chance.ru/researchers_pril2.html
農民はみかんの木の間にレモンの木を植えました。ヒヒは甘いみかんを食べるつもりが酸っぱいのでで驚きました。実験を始めてほぼ半年たつとヒヒはその農園に関心を持たなくなってしまいました。
やはり極めて巧妙に「拍車」が使われたのでした。ジョッキーは鞍の下にドライアイスのかけらを入れておいたのです。冷たくて痛いので馬は全速で駆け出しました。ドライアイスはゴールに入った後で溶けてなくなってしまったわけです。
仕上げ塗装の前にタイヤの塗料がつく恐れのある箇所を泡で覆い、塗装が済んで塗料が乾いてから泡を洗い流す。
ポイントの間にフォームラバーのような多孔性物質に古いオイルなどを沁み込ませたものを置いておく。
フォームラバーは柔らかいのでポイントの動きの邪魔はしないが、ポイントの間に雪が入り込むことは防いでくれる。オイルを沁み込ませておくのは水が沁み込んで低温時にフォームラバーそのものが凍りつくことを避けるため。
{参考:日本では、上記の他に温水ジェット、融雪マット、ポイントに屋根をかけるなどの方法も使われています}