TRIZfest-2015は2015年9月10-12日に、韓国・ソウルで開催されました。
大会組織委員会の尽力によって、素晴らしい大会となりました。R&BDチームの皆さんの努力によってTRIZfest-2015を成功させることができました。大会会場はアクセスが大変便利で設備も整っており、大会のスケジュールは適度の休憩時間が取られるなど、大変よく計画され、夕方のイベントやカクテルパーティーも楽しく過ごすことができました。何より、開催地ソウルの街には多くの観光名所があり、参加者も滞在を楽しんだことでしょう。大会期間中の天候にも恵まれました。
今年度は23カ国から100名を超える参加者が大会に集まりました。世界におけるTRIZ人口拡大の証と言えるでしょう。
今年度も例年通り査読に基づく提出論文の選考を行いました。ワレーリ・スーシコフとトゥオモ・カーシが責任者を努めました。学会や実業界から適切なメンバーを集めて査読を行うことができました。今回は41本の論文と4つのケーススタディが査読で認められ、発表されました。各論文は研究・事例・手法の各カテゴリーに分類されています。5年間の論文審査の経験から、査読プロセスに多少の改善が求められていると思われます。ワレーリ・スーシコフが責任者となって現行プロセスをチェックし、新たなプロセスをMATRIZ幹部会に提案することになるでしょう。
大会は9月10日午前9時、TRIZfest-2015組織委員会委員長のマーク・バルカン博士が大会の開会を宣言し、始まりました。ついで、MATRIZ会長セルゲイ・イコヴェンコ博士が大会参加者に向けて歓迎の挨拶をしました。INNOBIZ会長イ・キューデ氏、SMBA理事ハン・ジュンワ博士による挨拶の後、ウ・ジョンヒョン、シン・デウ両氏によって SME TRIZ拡大のベスト・ケースとして「印刷品質改善のための問題解決」の報告が行われました。その後、イコヴェンコ博士がMATRIZアワードを発表し、複数の組織の代表者に表彰楯を手渡しました。
開会セレモニーに続いて、全体セッションが行われ、GE グローバル・リーダー兼チーフ・サイエンティスト マーサ・ガードナー博士が「TRIZの実践——GEの旅」と題した公演を行いました。その中で博士はGE社においていかにTRIZが教えられ、使用されているかを詳しく紹介されました。博士のご意見ではTRIZは、Six SigmaやLeanと並んで、GE社のR&D活動において明確に好影響を与えているとのことです。
休憩の後、サムスンエレクトロニック・ヴァイスプレジデント、ジャン・ドンソプ博士が「サムスンエレクトロニックにおけるイノベーションの方法」と題した基調講演を行いました。博士は製造業の分野の問題解決におけるTRIZの有効性について話されました。
午後には、さらに2つの基調講演が行われました。中国質量協会 (CAQ) の段永剛氏の「品質改善技術および方法の普及のための中国質量協会の活動の進展」、WWIEA会長ハン・ミヨン氏による「人類の未来のイノベーション」です。これに引き続き、論文発表が行われました。
第2日は前日に引き続いての論文発表で始まりました。昼食の後、台湾・工業技術研究院 (ITRI) ヴァイスプレジデント、Cy Chen博士が「技術革新を行う組織のシステマティック・マネージメント——ITRIビジネスモデルの進展」と題した基調講演を行いました。基調講演の後、論文発表がさらに続けられました。
二日目は公式セッションの後の楽しい夕食パーティで締めくくられました。素晴らしい中華料理と美味しいお酒で、参加者は大変楽しい時間を過ごしました。
第3日はTRIZマスター認定委員会の会合で始まりました。TRIZマスター認定委員会は以下の9人のTRIZマスターで構成されています。
TRIZマスター認定委員会はまず、次の二つの論文審査を行いました。結果は以下のとおりです。
氏名 | 支持 | 不支持 | 結果 |
---|---|---|---|
ユーリ・レベジェフ氏 * | 7 | 1 | TRIZマスター認定 |
ナ・フンヨル氏 | 5 | 4 | 不認定 |
ついで、TRIZマスター認定委員会は、技術革新または発明におけるTRIZの実践活用での顕著な功績に基づいて、キム・ミンソ氏についての審査を行いました。結果は以下のとおりです。
氏名 | 支持 | 不支持 | 結果 |
---|---|---|---|
キム・ミンソ氏 | 7 | 2 | TRIZマスター認定 |
昼食の後、MATRIZの第11回総会が開かれました。
総会では、MATRIZ副会長、MATRIZ会長、MATRIZ総括理事、監査委員長の報告が行われました。
ついで、議決権を持つTRIZ地域組織の代表によって、いくつかの手続きに関する議題、および定款の修正についての投票が行われました。また、新しいMATRIZ幹部会メンバーの選挙も行われました。
以下の9名が新しいMATRIZ幹部会メンバーとして選出されました。
氏名 | 国 | 得票 |
---|---|---|
1. ロベルト・アドゥンカ | ドイツ | 20 |
2. マーク・バルカン | USA | 26 |
3. クリストフ・ドブルスキン | オランダ | 21 |
4. ユーリ・フェドーソフ | ロシア | 26 |
5. オレーグ・フェイゲンソン | ロシア | 26 |
6. セルゲイ・イコヴェンコ | USA | 26 |
7. イ・ジュンヨン | 韓国 | 23 |
8. サイモン・リトヴィン | USA | 23 |
9. スン・ヨンウェイ | 中国 | 21 |
短い話し合いの後、セルゲイ・イコヴェンコ博士が新たにMATRIZ会長に選出され、大会は閉会しました。閉会挨拶の中で、イコヴェンコ博士は、TRIZfest-2016は中国で開催する予定であると言及しました。詳細については追って10月末に発表される見込みです。
マーク・G・バルカン
MATRIZ総括理事
(日本語訳:MATRIZ日本語ページ管理人)
TRIZfest-2015の模様については、写真アーカイブへのリンクを追っておしらせします。
マーク・バルカンが大会の開会を宣言
セルゲイ・イコヴェンコが参加者に向けて歓迎の挨拶
300名を超える人たちがTRIZfest-2015に集まりました
最後まで参加した人たち